ソフトバンク(SoftBank)が副業許可へ!働き方改革とは?

ソフトバンク(SoftBank)が副業許可へ!働き方改革とは?

ソフトバンク(SoftBank)は10月12日、働き方改革推進第2弾として副業解禁を発表しました。

今までの「副業の原則禁止」を改定し、本業に影響のない範囲で社員のスキルアップや成長につながる副業を許可するようです。
最近では、ロート製薬が副業解禁を導入したことで話題となりましたが、社員数1万人規模の企業における副業容認は珍しく、各方面で話題になっています。

ソフトバンク(SoftBank)株式会社は今や日本を代表する大企業(メガカンパニー)です。
そこで、今回は社会の副業に対する目や風当たりを大きく変えるとも言える、ソフトバンク(SoftBank)の働き方改革と副業解禁のニュースについてわかりやすくお伝えしたいと思います。

働き方改革とは?将来的な生産力低下や国力低下への対策

仕事が多様化した現在において、企業における労働環境の改善は大きな課題となっています。
インフラや国力を支える企業の労働環境による生産性低下は、企業だけでなく今や社会や国全体に関わる大きな課題なのです。

そこで、安倍晋三首相は2016年9月に内閣官房に「働き方改革実現推進室」を設置しました。
これにより、働き方改革の取り組みを提唱したのです。

昨今、ニュースや新聞でよく目にする「働き方改革」ではありますが、具体的にはどのようなことを実践するのか知りたいと関心を高く持つ社員や経営者の方も多いと思います。

単に働き方改革といっても分からない部分も多いため、「そもそも働き方改革とはなにか?」についてまずはお伝えしていきたいと思います。

働き方改革とは?一億総活躍社会実現に向けた最大のチャレンジ!

働き方改革とは、一言でいえば「一億総活躍社会実現に向けた最大のチャレンジ」です。

一億総活躍社会とは、「少子高齢化が進む現代で50年後も人口1億人を維持し、家庭や職場、地域で誰しもが活躍できる社会」のことを指します。
つまり、働き方改革とは「子供から高齢者まで誰しもが笑顔で活動できる世の中を実現するための改革」ということになります。

首相官邸のHP(ホームページ)でも以下のように書かれています。

働き方改革は、一億総活躍社会実現に向けた最大のチャレンジ。多様な働き方を可能とするとともに、中間層の厚みを増しつつ、格差の固定化を回避し、成長と分配の好循環を実現するため、働く人の立場・視点で取り組んでいきます。

引用元:首相官邸HP「働き方改革の実現」

働き方改革の背景!労働力人口が減少していることが大きく関係

働き方改革の背景には高齢化社会の進行が大きく関係しています。
高齢化社会になると、65歳以上の老年人口(高齢者)が増えるため、国の労働力を支える生産年齢人口(15歳~64歳)が減少します。

現在の日本の状況はとても深刻で、今のペースでいくと50年後には総人口1億人を割ると言われています。
つまり、生産年齢人口(15歳~64歳)が想定以上のペースで減少しているのです。

内閣府HP(ホームページ)によると今から約100年後の2110年には総人口が4200万人にまで減少すると予測されています。

日本の将来推計人口

引用元:内閣府HP「人口・経済・地域社会の将来像」

こうした背景から、このままでは日本全体の生産力低下や国力低下が避けられないとされ、今後の日本将来について内閣が本格的に「働き方改革の実現」に向けて動き出したのです。

ソフトバンク(SoftBank)における働き方改革とは?

ソフトバンク(SoftBank)における働き方改革とは?

ソフトバンク(SoftBank)株式会社では、社員が最適な働き方で組織と個人の生産性を最大化することを目的に、2017年4月から働き方改革を導入しています。

働き方に関するスローガンを「Smart & Fun!」と掲げ、ITやAI(人工知能)を駆使して、働く社員が全員がスマートに楽しく活動できることを目指しているようです。

まずは、ソフトバンク(SoftBank)における「働き方改革」とは一体どういった内容のものなのか、導入した背景と狙いについて見ていきたいと思います。

ソフトバンク(SoftBank)の働き方改革には2つの背景が存在

ソフトバンク(SoftBank)の働き方改革導入には、2つの背景が関係しているようです。
政府が定義する働き方改革とはまた違ったものになっているので見ていきましょう。

1つ目の背景「日本政府の方針をはじめとした世の中の動き」

まず1つ目の背景ですが、前章でお伝えした日本政府の働き方改革の取り組みが大きな理由となっているようです。

最近のニュースや新聞では「働き方改革」について頻繁にピックアップされます。
日本人の働き方のありようについて、政府が本格的に本腰を上げて取り組み始めたことがソフトバンク(SoftBank)の働き方改革導入に大きく影響しているようです。

今後の日本は労働人口が減るだけでなく、老年人口(高齢者)が増えることで国全体の寿命が延びます。
すると、本題である「生産力低下や国力低下」だけでなく、医療費や年金といった国から支払われる費用も増大するため、国の運営が経ち行かなくなることも明白です。

そこで、育児中の女性(主婦)やシニア層、家族の介護をされている方など、時間に制約や制限がある方でも安心して働ける環境を整備することで、労働人口を確保することを目指しているようです。

2つ目の背景「ソフトバンクが取り組んでいる事業の変化」

2つ目の背景は、ソフトバンク(SoftBank)が取り組んでいる事業の変化です。

少々専門的な話になってしまいますが、現在の移動通信(モバイル通信)市場は成熟期であり、今までのやり方では継続した企業成長が難しいようです。
モバイル端末が根幹であったソフトバンク(SoftBank)では、この状況を打開すべく「AI」「IoT」「ロボット」など次の市場へと移り変わりつつあります。

そのような、市場や環境の変化が、社員の考え方や働き方にスポットを当てる背景だったようです。

ソフトバンク(SoftBank)の働き方改革のスローガン「Smart & Fun!」

ソフトバンク(SoftBank)の働き方改革のスローガン「Smart & Fun!」

ソフトバンク(SoftBank)の働き方改革の狙いは、スローガンである「Smart & Fun!」に集約されています。

さて、そこで気になるのが「Smart & Fun!」の意味です。
約2年ほど前に「Half & Twice」という「半分の時間で生産性を2倍にしよう」考え方が存在していたようですが、そこに「楽しみ」を加えて進化したものが「Smart & Fun!」の定義のようです。

具体的には「ITの力を駆使して働き方を変えていく」ということを指します。
働く社員一人一人が自身の部署や業務を効率化しながら業務を改革して、日々行動していくのがポイントのようです。

日々の仕事や生活を効率化して空いた時間を「AI」や「ロボット」にはできない人間味ある付加価値を創造することが「Smart & Fun!」に込められたテーマであり、ソフトバンク(SoftBank)の働き方改革における狙いのようです。

ソフトバンク働き方改革第1弾「新たな人事制度の導入により働き方改革を推進」

働き方改革についてわかってきたところで、実際にソフトバンク(SoftBank)で実施された働き方改革についてお伝えします。

まず働き方改革第1弾として2017年4月に以下の新たな人事制度が導入されました。

ソフトバンク(SoftBank)の働き方改革における三つの施策

引用元:ソフトバンクニュースHP「時代の変化が求めるワークスタイルとは~ソフトバンク流「働き方改革」~ 」

1万人規模でスーパーフレックスタイム制を導入

導入しているフレックスタイム制度からコアタイムを撤廃して始業時刻と終業時刻を非単位で変更可能になるスーパーフレックスタイム性を導入。
企業と働く個人が、以前よりも効率的に活動することができ、成果の最大化を図るのが目的。

在宅勤務制度を拡充・拡大

育児期や家族の介護や必要な社員を対象に週1回利用可能な在宅勤務制度の回数を増やし、対象とする社員の範囲を拡大。
現在は一般社員へのトライアルだが、将来的には全社への拡大を目指す。

「Smart & Fun!支援金」を全正社員に給付

業務効率化により空いた時間を自己成長機会として投資を促し、全戦車インに毎月1万円の「Smart & Fun!支援金」を給付。

2017年2月24日からプレミアムフライデーを全社で実施

経済産業省およびプレミアムフライデー推進協議会が推進する消費喚起施策である「プレミアムフライデー」に賛同し、2017年2月24日から毎月末最終金曜日の午後3時を退社奨励時間とする取り組みを開始。

ソフトバンク働き方改革第1弾についてもっと詳しくしりたい方は下記よりどうぞ。
ソフトバンク株式会社 HP「新たな人事制度の導入により働き方改革を推進」

ソフトバンク働き方改革第2弾「オフィス改革や副業の許可など新たな取り組みを開始」

第1弾の働き方改革より約6ヶ月ほど経過し、2017年10月に第2弾を実施することを発表しました。

2017年4月に導入した人事制度に続き、働き方に関するスローガンとして「Smart & Fun!」を掲げ、イノベーティブでクリエイティブな企業風土を形成するために実施するようです。

主な内容としては第1弾の対象よりさらに範囲が広がり、「時間」と「場所」に縛られない多様な働き方を推進し、2017年11月から以下の制度を順次開始します。

オフィス改革(グループアドレス制、サテライトオフィスの導入)

オフィスをグループアドレス制へ段階的に移行し、イノベーティブかつ効率的なオフィスへ改革推進。
サテライトオフィスの活用を推進して働く場所の選択肢を増やす。
将来的にはWeWork Japanが展開するコワーキングスペースの利用も検討。

副業の許可や他社交流会の実施など、社外活動によるイノベーション創出を促進

就業規則上の「副業の原則禁止」を改定し、本業に影響のない範囲でかつ社員のスキルアップや成長につながる副業は許可。
副業や他社交流の場で得た知見やノウハウを、将来の新規事業や既存事業の活性化などイノベーションの創出につなげることを目的。

生産性向上に関するスキルアップ研修の実施

生産性向上に関する社員のスキルアップのため、「思考整理(ロジカル・シンキング)」「会議運営(ファシリテーション)」「プロジェクト推進(プロジェクトマネジメント)」に関して、全社員対象のeラーニングを実施。

マネジメント意識改革

限られた時間で最大の成果を出すためには、メンバーが最大限能力を発揮できるような管理職層による業務アサインやコミュニケーションが大変重要。
管理職が自らのマネジメントスタイルを振り返り、意識や行動変革に結び付けることを目的として、ワークショップ型の集合研修およびセルフチェックを伴うeラーニングを実施。

ソフトバンク働き方改革第2弾についてもっと詳しくしりたい方は下記よりどうぞ。
ソフトバンク株式会社 HP「働き方改革推進第2弾として、オフィス改革や副業の許可など新たな取り組みを開始」

ソフトバンクの副業解禁は世の中の副業禁止イメージを打破

ソフトバンクの副業解禁は世の中の副業禁止イメージを打破

ソフトバンク(SoftBank)の働き方改革第2弾による「副業解禁」は副業・Wワークの業界にとって大きなニュースとなりそうです。

一般的な企業や団体では、本業の妨げになるとして副業を禁止しているところがほとんどです。
日本を代表するソフトバンク(SoftBank)が副業を許可したことにより、日本国内における副業禁止のイメージが見直されるかもしれません。

副業を許可することで、社内全体の効率化を目指し、社員の満足度向上につとめるソフトバンク(SoftBank)の働き方改革は見事です。

近年、サラリーマンや主婦の間で副業を始める方が増加傾向にありますが、社会的な働き方改革と同様に、副業の需要があることを一般企業も認知して副業を解禁してくれることを望むばかりです。

まとめ:サラリーマンにとって副業を始めやすい環境作りが大切

今回はソフトバンク(SoftBank)の働き方改革についてお伝えしました。

働き方改革第2弾では「副業許可」のニュースが印象強かったですね。
日経平均株価などの指標上では景気が良くなっていると言われていますが、現実はまだまだ不景気続きです。

ボーナスがカットされたり、減給にあったり、リストラやクビにあわれている方も少なくありません。
勤めている会社が副業を禁止したとしても、会社にばれない方法で副業を行って副収入を稼いでいる方も多くいます。

まずは、自分の会社が副業を禁止しているのか否か確認して、会社全体で副業を始めやすい環境を作っていくことが大切です。