近年の働き方改革の推進により、世間では副業が注目されています。
その流れはこれまで副業には縁の無かった職業の方たちにも影響が出始めているのです。
つまり副業をすることが前提の世の中になりつつあると言えます。
今回は地方公務員に向いている副業をご紹介したいと思います。
公務員と言えば「副業禁止」というイメージです。
確かに法的な規制はあります。
しかし、いかなる副業もできないという話ではないのです。
また、近年は副業を推進する地方自治体も現れています。
この流れは今後徐々に広まっていくと考えられるのです。
- 副業に興味のある地方公務員の方
- 転職を考えていた地方公務員の方
- 収入を増やしたい地方公務員の方
上記のような方は最後まで読んでみてください。
それでは地方公務員におすすめの副業をご紹介していきたいと思います。
地方公務員の仕事について
まずは、地方公務員の仕事内容や労働環境、給料水準などをまとめました。
地方公務員は身分を表す総称です。
そのため地方公務員として働く職種は多種多様にあります。
また会社で言うところの社長は、知事や市長です。
知事や市長は選挙によって変わる可能性があり、そのために職務が大幅に変ることがあります。
したがって地方公務員は世間が考えるほど楽な仕事ではないことが多く、場合によっては過酷な労働環境の下で働いています。
そのため転職希望者も多い職業の1つとされているのです。
それでは1つ1つ詳しく見ていきましょう。
地方公務員の仕事内容
地方公務員とは公務員の中でも、都道府県や市区町村に所属して公的な業務をする職業です。
ただし公的な業務は幅広い分野があるため、それぞれの業務に対して職種が分けられています。
一般的には以下の4つの職種に区分することができるのです。
行政職
都道府県庁や市役所など一般的な官庁の中で主たる業務を行う地方公務員です。
地域の生活や産業に密着した様々なサービスの提供を行っています。
技術職
所属する自治体での環境を維持管理する時に、専門的な技術を用いた仕事を行う公務員です。
技術職ではさらに以下の職種に分かれています。
- 土木
- 建築
- 機械
- 電機
- 化学
- 農業
専門職
所属する自治体が運営する医療機関や教育施設で資格を基にして働く地方公務員です。
医療系の国家資格や教員免許などを取得して、公立病院や公立学校で資格に応じた仕事を行います。
公安職
いわゆる「警察官」と「消防士」が公安職に当たります。
両社の違いは警察官は都道府県ごとの採用に対して消防士は市町村単位での採用になることです。
このように地方公務員の職域は非常に広く、多種多様に分かれています。
したがってお互いの職務に対して理解ができず、助け合うことも困難です。
互いに各自の職務を全うしなければならず、場合によっては仕事の負荷が過剰になることがあるのです。
地方公務員の労働環境
次に地方公務員の労働環境について解説します。
地方公務員は一見楽なイメージを持つ方が多くいますが、必ずしもそうとは言えません。
地域に密着した仕事だからこそ起こる様々な厳しさがあるのです。
上司が選挙で変ってしまう
地方公務員の上司は知事や市長、そして議員の皆さんです。
住民のしもべとして働く地方公務員なので、上司が選挙で選ばれても当然だと言えます。
しかし上司は自らが発した公約を果たすべく、部下である地方公務員に様々な指示を出すのです。
したがって選挙前とは180度変わった業務をせざるを得ないことがあるのです。
近年の有名な実例では大阪維新の会という政党が躍進したため、大阪府や大阪市の地方公務員たちの仕事内容が大幅に変えられたと言います。
知人と苦渋の交渉
市区町村の地方公務員の場合、生まれも育ちも同じ市区町村の方も多くいます。
そのためサービスを提供する住民が知人やそれに近い方であることが多くあるのです。
さらにそういった方たちに対して、デメリットになる交渉も請け負わなければならないことがあります。
例えば、都市開発などで住民に立ち退きをお願いする仕事を個人的なつながりのある方とせざるを得ないことがあります。
夜間や深夜勤務
公安職や専門職の場合、業務の性質上休日はもちろん、夜間や深夜の勤務があります。
さらに勤務地によっては深夜でも激務な所もあるのです。
例えば医療系専門職で地方公務員になった場合、地域の中心的な公立病院に勤務することがあります。
その場合、救急医療でも重症患者を受け入れることが多いのです。
重症の患者を24時間体制で受け持つと、深夜でも仮眠無しで勤務することがあります。
サービス残業
公立の学校の教職員は地方公務員という扱いになります。
教職員は受け持ちの授業が終われば終業となることはありません。
授業の準備や事務的な作業はもちろん、他にも様々な業務があるのです。
例えば生徒のクラブ活動の指導や管理も大事な仕事です。
また終業後の研修会や会議も度々行われています。
そしてこれらの業務をほとんど手当無しで行っていると言われています。
地方公務員の給料水準
次に地方公務員の給料水準について解説します。
一般的に公務員は初任給は低いものの昇給率が高いと言われています。
公務員は長く勤めないと損すると言われるのはこういった理由があるからです。
そして地方公務員の平均月収ですが、20代では20万円前後です。
そして50代後半になると40万円を超えてきます。
ただし公務員の場合も管理職などへの昇進が無ければ平均以上の月収には達しません。
地方公務員の転職者数
では地方公務員の転職者はどれくらいなのでしょうか。
総務省が発表したデータによると、平成29年度に離職した地方公務員は13万256人となっています。
離職した理由の半数は定年退職によるものです。
しかし残りの半数はそれ以外の理由で退職しています。
好待遇と思われがちな地方公務員ですが中途退職者が多くいるのが現状です。
地方公務員の副業事情について
それでは地方公務員の副業事情はどのようなものなのでしょうか。
地方公務員は副業に関して一定の規制があります。
その点も踏まえて地方公務員の副業について解説します。
「地方公務員は副業ができない」のではない
はじめに「地方公務員は副業が禁止されているのでは」という点について解説します。
法的には地方公務員が「営利目的の活動」に従事することは禁止されています。
したがって副業としてパートやアルバイトをしたり、自営業をすることも禁止されています。
地方公務員でもできる副業がある
しかし禁止されているのは「営利企業」で働くことです。
したがって営利企業に働いていないと解釈できる範囲であれば地方公務員が副業をしても問題ないのです。
そのため地方公務員は以下のような事情を持って働いています。
- 家族が主体となっている事業に無給扱いで参加する(兼業農家など)
- 非営利事業にボランティアとして参加する
つまり、家族や地域などの問題を解決するために地方公務員がキャリアを活かして副業することは何の問題もないのです。
また、収入を上げる目的の副業でも地方公務員ができる副業も存在します。
次の章では地方公務員に向いている副業について解説します。
地方公務員に向いている副業
では地方公務員に向いている副業はどんな仕事があるのでしょうか。
地方公務員は営利目的の企業に努めることができません。
しかし今の世の中、企業に勤めなくてもお金を稼ぐ手段はたくさんあります。
自分の生活スタイルや副業に割ける時間によって選んでみると良いでしょう。
1.アンケートサイト | スマホで質問に応えてお小遣い稼ぎ
アンケートサイトとは、会員登録を行い指定のサイトに用意されたアンケートに回答することで謝礼をもらえる仕組みです。
1つにつき数十秒から数分で回答することができます。
そしてアンケートを続けていくと、1回数百円から数千円単位の大規模なアンケートの依頼が来るようになるのです。
謝礼は現金に交換することができますが、各種ポイントや商品に交換することも可能です。
ちょっとしたお小遣い稼ぎであれば地方公務員でも問題ない副業だといえます。
2.ポイントサイト | ポイントを貯めて現金やギフトカードに換金
ポイントサイトとは、サイトに会員登録を行い広告を見たり物を購入することでポイントが還元される仕組みです。
広告を見るだけでは得られるポイントは高くありません。
しかしクレジットカードの発行や、大きな買物をする時にポイントサイトを経由することで数千円単位のポイントを得ることができるのです。
また得られたポイントは現金だけでなく、各種ポイントや商品にすることも可能です。
そのため、地方公務員がする副業としては問題ない範囲になると言えるます。
3.フリマサイト | いらない物をネット販売して利益を得る
メルカリをはじめとしたフリマサイトは老若男女を問わず幅広く利用されています。
フリマサイトを利用して不用品を販売することで利益を得ることができます。
実際に不用品を販売して売れた時の喜びは、地方公務員の仕事ではなかなか味わえない感覚です。
フリマサイトでの販売は一見営利目的の副業に見えますが、これを副業とすると不用品をバザーに出したりリサイクルショップで下取りする行為も副業になってしまいます。
したがって地方公務員が副業として行う分には問題にならないと言えるのです。
フリマサイトの始め方は、今自宅にある不用品を断捨離するつもりでされることをお勧めします。
そして売買の感覚に慣れてきてから、少しずつ手を広げてみるのがスムーズです。
4.株式やファンドへの投資 | 資産運用としてなら副業OK
投資の世界では不動産や株式、そして最近では太陽光発電などが有名です。
ただし不動産や太陽光の場合、実物を所有する方法だと利益が大きくなった時、営利目的の副業に該当するリスクがあります。
そこで地方公務員が副業で投資をする場合は「証券で投資する」という方法をお勧めします。
近年の証券取引所では不動産や太陽光発電を株式の様に売買することができます。
そこで、地方公務員は株式だけでなく不動産や太陽光も証券として投資をするのです。
証券で投資をするメリットは、営利目的の副業ではなく「個人の資産運用」として解釈することができることです。
5.クラウドソーシング | ライティングやデータ入力といった定番副業
執筆の仕事は許可を得ることで地方公務員ができる仕事です。
かといっていきなり物を書く仕事などできない、執筆するネタがない、と考えがちです。
しかし近年はインターネットの発達によって様々な情報が執筆の題材として求められています。
そういった様々な執筆の題材と巡り合う方法としてクラウドソーシングというサイトがあります。
クラウドソーシングでは執筆の仕事を請け負ってくれる方を探す側と、執筆の仕事を引き受けたい方が互いに会員登録することで出逢うことができるサイトです。
地方公務員の場合、それぞれのキャリアで得られた専門的な情報や個人的な趣味や特技と言った情報を気軽に執筆することで収入を得ることができるのです。
地方公務員が副業で成功するコツ
副業ができることは分かっても、成功できるか不安になるものです。
そこで地方公務員が副業をする上で、成功するコツを解説します。
地方公務員だから特別な努力が必要というわけではありません。
ただし地方公務員の場合、特別に注意すべき点があります。
時間をかけて成果を上げる
副業を始めたからと言っていきなり高い収入を得られるわけではありません。
それぞれの副業には先に始めている方もたくさんいます。
また、プロとして本業で行っている方も大勢いるのです。
したがって副業を始めた当初は満足できない収入でもコツコツと続けることが重要です。
小さな結果を積み重ねていれば、少しずつチャンスが増えてきます。
そこでチャンスを確実に捕まえられるように地道に取り組むことが副業でも必要なのです。
副業をしていることを他言しない
ここで紹介した副業は、地方公務員が行っても問題ない物ばかりです。
しかし副業をしていることが同僚や上司に分かると、心証を悪くする可能性があります。
特に地方公務員の場合、違法でなくても「良くないもの」というイメージが先行する可能性が考えれれるのです。
そこで地方公務員が副業で成功するためには、副業をしていることを気軽に打ち明けないことがポイントになります。
特に利益が大きくなってくるとそのことを他人に言いたくなるものです。
「親友だから」と言って下手に自慢をすると、後で手痛いことになるかもしれないので注意しましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は地方公務員におすすめの副業をご紹介させていただきました。
とにかくお堅い仕事というイメージがつきものの地方公務員ですが、これからの時代はもっと自由に働くことが望まれます。
- 地方公務員は地方自治体の公共サービス全般を担う仕事
- 地方公務員は残業や当直などハードな仕事が多い
- 副業に対する規制はあるものの、副業をしている地方公務員も多い
- 地方公務員には規制の範囲を超えない副業がおすすめ
公務員は収入面では安定した業界として知られています。
しかし高い給与が保障されているわけではありません。
したがって公務員であっても副業をすることで収入やキャリアを高めていく事が求められる時代なのです。
これから副業を始めてみようと考えていた地方公務員の方は是非参考にしてみてください。