政府の進める働き方改革によって、残業は厳しく規制されるようになりました。
しかし一方で、これまで支給されていた残業代が大幅にカットされたことによって、金銭面で厳しい生活を強いられるようになった人も少なくありません。
そこで、働き方改革のもうひとつのポイントである副業を検討する人が増えています。
今回は、看護師として働いている人に向いている副業をいくつかご紹介したいと思います。
- 副業に興味のある看護師の方
- 転職を考えていた看護師の方
- 収入を増やしたい看護師の方
上記の内容に当てはまる方は、最後まで読んでいただくことで副業に対する理解が深まり、今後の行動に移しやすくなるはずです。
看護師の仕事内容と労働環境
まずは、看護師の仕事内容や労働環境、給料水準などをまとめました。
転職希望者も多い職業であるため、過酷な労働環境であることがわかります。
看護師の仕事内容
一口に看護師といっても、外来患者の対応をする外来看護師、入院病棟の患者の対応をする病棟看護師、手術のサポートを行うオペ室看護師、ICUに常駐するICU看護師などが存在します。
当然のことながら、それぞれの場所によって果たす役割も変わってくるのですが、全てに共通しているのは「患者の回復をサポートする」ということです。
カルテの整理も医師の診察補助もオペのサポートも、結局のところは全て患者の回復を助けるために行っていることに違いはありません。
看護師の労働環境
看護師の労働環境は病院の規模によっても大きく異なります。
入院病棟のない外来患者のみが訪れる病院の場合は、当然のことながら夜勤はありません。
しかし、大きな規模の病院になると入院病棟が必ずあるため、24時間体制で日勤と夜勤、準夜勤を割り振ることになります。
夜勤がある病院の場合は、3交替制のところが多いようです。
日勤だけが続くのであれば生活リズムも作りやすいですが、当然のことながら日勤と夜勤が不規則に入り組むこともあります。
また、慢性的に残業が多い病院も少なくありません。
そのため、労働環境としては一般的な会社員に比べて決して楽とはいえないでしょう。
看護師の給料水準
2018年版の日本看護師会の調査によると、勤続10年の看護師の平均給与の金額は約32万円となっています。
金額だけを見ると高いように見えてしまいますが、先ほど紹介した過酷な労働環境を考えると、決して給与水準で満足している看護師は多くないといえるでしょう。
看護師の転職者数
看護師は過酷な労働環境を強いられがちな現実があるため、転職者の数は多い傾向にあります。
少し情報は古いですが、2012年に行われた日本看護師会の調査によると、「看護職として勤務した施設数」が複数ある看護師の割合は高く、平均約3〜5施設を渡り歩いていることが分かりました。
参考元：日本看護協会「都道府県ナースセンターによる看護職の再就業実態調査」
看護師の副業事情
看護師のなかにはさまざまな事情を抱えている人も少なくありません。
なかには、シングルマザーとして家族を支えるために働いているという人もいます。
看護師は収入の多い仕事ではありますが、子供を育てながら生活していくためには決して余裕のある生活が送れるとは限りません。
そのような人のなかには、看護師以外にも何らかの仕事を副業として実践し、本業以外の収入を得ているケースもあります。
また、将来のことを考えて看護師以外のキャリアを見出すために副業をしている人もいるでしょう。
大病院ではなく外来のみのクリニックで看護師をしている人の場合は、安定した生活リズムのなかで余暇を有効に活用するために副業に取り組むケースもあります。
このように、副業に取り組む理由も人によって異なり、それぞれにさまざまな事情や動機があることが分かります。
看護師に向いている副業3選
看護師にも副業の需要があることがわかったところで、実際に看護師に向いている副業はどんな仕事なのかピックアップしてみましょう。
副業選びの大前提となるのは、コンビニや居酒屋などのアルバイトといったような時給で働く仕事を避けることです。
当然のことではありますが、本業に支障をきたしてしまい、働きすぎによって体を壊してしまうおそれもあります。
重要なのは、自分のペースで働きたいときに働ける仕事を選択することです。
1.クラウドソーシング
クラウドソーシングとは企業がインターネットを通じて仕事を発注し、クラウドソーシングに登録しているフリーランスが仕事を受注するというものです。
たとえば、企業のホームページを制作しようとしたときに、自社の人間だけでは実現が難しいものです。
そこで、通常であればホームページ制作会社に業務を委託します。
しかし、クラウドソーシングであればプログラマやデザイナー、ライターなど高いスキルをもった人材が多数登録しており、企業へ業務委託するよりも安く発注がすることが可能になります。
多くの副業希望者は「高度なスキルを持っていないから」という理由で諦めてしまいがちですが、ライターの分野においては専門性が強い武器になります。
特に医療記事の執筆にあたっては、看護師や医師免許をもった人材の知見は貴重であるため、高単価案件が受注できます。
文章の構成や言葉のチョイスなど、ライティングの基礎に慣れるまでは大変かもしれません。
しかし、看護師という武器を最大限活かすにはクラウドソーシングでのライターは効率的に稼ぐための近道といえます。
2.ブログ・アフィリエイト
ブログやアフィリエイトは自分のホームページやブログを開設し、広告収入やアフィリエイト収入によって報酬を得るという副業です。
ホームページやブログに訪れる数（ページビュー：PV）によって広告収入を獲得し、さらにアフィリエイトリンクとよばれるものをページ内に貼り、そのリンク先へ飛んで商品やサービスを購入した場合に報酬が発生します。
当然のことながら、ホームページやブログに訪れる人が少ないとほとんど報酬が発生しないため、地道な更新が必須となります。
もともと文章を書くことが好きな方や、SNSのフォロワー数が多い方などにはおすすめの副業といえます。
クラウドソーシングは企業から個人へ仕事を発注し、成果物に対して報酬が支払われるため報酬を得るまでの期間は早いですが、ブログやアフィリエイトは結果が出るまで時間を要します。
そのため、最初のうちは複数の副業を並行して進めてみるのがおすすめです。
3.スキルシェア
スキルシェアとはその名の通り、自分が持っているスキルや知見を求めている人に対し提供し、その対価として報酬を得るものです。
たとえば看護師の場合、以下のような内容が考えられます。
- 日々の健康相談や怪我の応急手当の相談
- 看護師をこれから目指す人へのアドバイス
- 看護師国家試験の勉強方法のアドバイス
インターネット上にはさまざまなスキルシェアサービスが提供されており、スマートフォン向けアプリとしても利用できるものがあります。
自分自身は当たり前だと思っていても、他の人にとっては有益な情報やノウハウ、知見は意外と多いものです。
看護師という権威性のある資格を持っているのであれば、それをフルに活用した副業として、スキルシェアの活用がおすすめです。
看護師が副業で成功するために
働き方改革は徐々に浸透してきたとはいえ、看護師は日々過酷な現場で働く仕事であることに変わりはありません。
収入やキャリア、余暇の有効活用など、さまざまな事情があるとはいえ、看護師が副業で成功するためには本業に支障をきたさないことが大前提となります。
命を預かる仕事である以上、副業とはいえ無理は禁物です。
十分な睡眠時間と休息を確保しつつ、自分が働きたいときに働ける自由を手に入れるためには、従来の時給や月給として報酬を得るという考えから脱却してみることがおすすめです。
もちろん、先ほど紹介した3つの副業以外にも、株式投資や不動産投資、FXなどといった不労所得を得る方法もあります。
しかし、できるだけリスクを背負わず、少額でも確実に稼げる方法を模索するのであれば、まずはいずれかの方法で試してみることから始めてみてはいかがでしょうか。
まとめ
今回は看護師におすすめの副業をご紹介させていただきました。
最後に今回の内容を3つのポイントにまとめてみます。
- 看護師の労働環境は過酷な現状がある
- 経済的、キャリアアップなどの理由から副業を検討している看護師も多い
- 看護師には時間給ではないスキルを活かした副業がおすすめ
これから副業を始めてみようと考えていた看護師の方は是非参考にしてみてください。
